偏屈親父の修理雑記



    ★偏屈親父の修理雑記  オモロイよ! 


 偏屈親父が商売柄体験した修理に関する面白い話やこぼれ話などを紹介しよう。



★SIXTH SENSE (3月20日アップ)
今回は偏屈親父のSEX。いや間違ったSIXTH SENSEつまり第六感について話そう。
どんな第六感が働くかと言うと、自分の店で売ったバイクは雰囲気で判るのだ。
街中でお客に合っても誰だか判らないときがあるのに、自分の店で売ったバイクが道端においてあったらすぐに眼がいく。走っているバイクを後ろから見ても判る。決して店のステッカーが張ってあるからと言うんではなく、なんとなく判る。100%と言う訳ではないけれどかなりの確率で正解する。何故だといわれても判らない、何か雰囲気で判る。これを第六感といわずしてなんと言おう。
ある時車で走っていると、駐車している車の陰にフロントタイヤだけが少し見えた。「おや」と思って見てみると案の定、何日か前に盗難に会ったバイクであった。
こんな感じで数台の盗難車を今までに見つけた。ただし100%ではない。かなり低い確率。
 偏屈親父は思う。昔科学が発達していない頃、人間は今よりも鋭い第六感や超能力を持っていたのではないか。その中でも特に強い能力を持っていたものがシャーマンと呼ばれる占い師等ではなかったか。邪馬台国の卑弥呼などもそうではなかったか。他人の病気を治したり、農耕に大事な天気を予報したり。厳しい自然から身を守るために自然と備わった能力であった。
しかるに科学が発達してくると、病気は薬で、天気予報は気象庁がというふうになる。それもかなりの確率で成功する。第六感の比ではない。そうなれば当然不確かな超能力などは誰も必要としなくなる。こんなふうにしてSIXTH SENSEは衰退していったのではないだろうか。
 現代の超能力者を自負する人に申し上げたい。封筒の中の文字をたっぷり時間をかけて透視するぐらいなら、病人の病巣を見つけて欲しい。空中浮遊したり、スプーンを曲げたり折ったりするくらいのエネルギーがあるなら、みんな集まって発電機を回して欲しい。完全無公害の電気を使う事が出来る。テレビなどで超能力を見せびらかしているよりは、よっぽどその存在の証明になると思うのだが。
と書いてきて、偏屈親父は、久しぶりに憎まれ口を叩いてしまったのかな。
            この話は真実に基づいた話に偏屈親父の偏見をたっぷり入れたものです。



★高倉健が (1月16日アップ)
今回は修理の話ではなく、知り合いの整備士から聞いた話。
彼は暫く太秦映画村近くのガソリンスタンドでアルバイトしていた。場所柄、ときどき俳優がやって来る。といっても一人で来るのはまれで、殆んどは取り巻き連中に囲まれてやってる。そんなだから直接話をする事はないし、話す事があったとしても、役ではいい人を演じてるのに「なんやこいつは」と思う俳優が結構いるらしい。
そんな中で「さすがだな」と思った人の話。
ある日の事「すみません洗車させて下さい」と高倉健が一人でジープに乗ってやって来た。
スタンドの事務所の中では「高倉健だ、高倉健だ」と大騒ぎをしているのに、当の本人はそんな事にお構いなく黙々と洗車をしだした。少し寒い日だったので気の毒に思った知人が「手伝いましょうか?」と言うと、スクリーンの中のあの姿勢と話し方で「いえ結構です、一人でやります。」といって、また黙々と洗車をしだしたという。
スクリーンの中の健さんは、私生活でも高倉健であった。という話でした。
あまりイメージが固まってしまうと、違うキャラクターの役が出来ないのではないかと映画好きの偏屈親父思ってしまう。健さんがタモリと共演してバラエティーに出てくるシーンを是非とも見てみたいものだ。

この話は真実に基づいて偏屈親父が多少脚色しています。



★ピストンとバルブが (12月19日アップ)
またまた昔話で恐縮です。だいぶCBにも慣れてきて、修理も出来るようになってくると排気量UPをと思ってしまう。スクラップ屋で10000円の350のエンジンを買ってきて換装した。次はやはりカムシャフト。YOSIMURAのハイカムを購入した。現在のYOSIMURAの包装とは大違い。何も書いてないダンボールの箱に取り付け説明書もなく、油の沁みこんだ新聞紙に包まれてやってきた。早速つけてみると、タペット音が出る。何度調整しても止まらない。(CBはロッカーアームシャフトが偏芯していてエンジンをかけながらタペット調整ができたんだよ)
とりあえずエンジンを降ろしてみた。(何度もやっていたので15分で降ろせた)なななんとピストンとインテークバルブがキスしているではないか。こんなキスは願い下げだ。YOSIMURAに聞いてみると「7度進めて取り付けてください」との事、それならそうと書いといてくれよ。丸やすりでカムチェーンスプロケットのボルト穴を削って取り付けた。これでバッチリ。さぞかし良く走るだろうと思って乗ってみると、それほど体感できない。上限回転数ではバルブサージングが起る。350に載せ変えた時とは大違い。なんだこんなもんかな、と他のセッティングもせずにそのまま乗っていた。そのくせダイナモカバーには彫金でYOSIMURAのロゴを入れていた。
今から思えばカムシャフトを換えればバルブスプリングも変えたほうがいいし、キャブのセッティングも必要。当たり前のことなのに、結局性能よりも「YOSIMURAのパーツを組んであるよ」とちょっとマニアぶりたかった偏屈親父の若い頃の話でした。

この話は真実に基づいて偏屈親父が多少脚色しています。



★サービスマニュアルなんて (11月23日アップ)
約30年前ホンダのCB250セニアに乗り始めた頃。新車の時からアイドリングが安定しない。リザーブに近くなるとアイドリング回転数が上がりプラグはいつも真っ黒。何度点検して貰っても同じ。この状態でニ三ヶ月のっていたのかな。でもどうしょうもないので、自分でもサービスマニュアルを買ってキャブのセッティングを規定値にしがそれでも直らない。
ちょうど引越したので、近くの小さなバイク屋に相談に行った。
「直しときます。2,3時間したら又来て下さい」との事。はたして2時間後に取りに行ってみると、アイドリングが安定している。吹けも良くなっているようだ。プラグは乗ってからでないと判らないが、明らかによくなっている。「どこを直してもらったんですか」と聞いても、「キャブの調整を」だけ。
詳しくは教えてもらえそうにないので、帰ってから調べてみた。
なんとキャブのエアスクリューが3回転も戻してあった。マニュアルだと「一回転半+−四分の1の範囲で調整してください」と書いてあるのに。結局部品の精度が悪くてマニュアルの調整範囲だと混合気が濃い状態だったのだ。
それ以来マニュアルの数値は信用しなくなった。
バイク屋になった今でも、マニュアルの数値はある程度の標準値だと思い、そのバイクに最適の調整を心掛けている。

この話は真実に基づいて偏屈親父が多少脚色しています。



★大失敗だ (11月1日アップ)
オフロード以外、公道での転倒は4回ある。一度目は浮いていた砂でズデン。2度目はウィリー失敗でガシャン。3度目はハンドルロックをしたままで発進しゴロン。4度目が今回の題材だ。
バイク屋たるものお客さんのバイクでヒックリかえるなんて事は、絶対にあっては成らない。でもそれがあるんだな。
ある雨上がりの日、刀に次ぐスズキの名車アドレスV100のタイヤ交換をした。
試運転をしようと道路に出て右にハンドルを切ってアクセルを開けたとたん新品の後輪がズル。とっさに後輪過重を抜き、滑る後輪に当て舵を当てながら立ち上がれば滅茶苦茶格好良かったんだけど、ビビってしまい。アクセルを戻したもんだからもーう大変。賢明な方ならもうお分かりでしょう、そうハイサイトを食らってしまって、反対側へドスン。幸いスピードが出ていなかったので、ピザピザピザのヒザと子供にかじられて細くなった脛とハンドルの端にダメージを受けただけ。お客さんには破損箇所を直すことで納得してもらった。
スクーターだと思って、100ccのトルクをなめていた偏屈親父がバカだった。
対向車には偏屈親父の引きつった顔を見られ。隣の散髪屋さんには「あんた何してんの」と言われ、肘の擦り傷は1週間消えなかった。
唯一オンリーワンお客さんのバイクでこけた話でした。
       「気をつけよう 濡れた路面と さらタイヤ」
この話は真実に基づいて偏屈親父が多少脚色しています。



★それってバイクのせい (10月22日アップ)
 ある日のこと「パンクの修理をお願いします」
見てみるとタイヤの空気圧不足のまま乗っていたので、チューブがバルブのところからちぎれてしまっている。「これはチューブ交換に成ります」「おかしいな3ヶ月ほど前にお宅で交換してもらったのに」
あー思い出した思い出した。たしかこの前の時、「これからは2ヶ月に一度空気見てください」と言って、修理した人。いくら新品のチューブでも空気が減らないわけわないでしょう。風船も二三日でしぼんでしまう、乾電池でもほっとけば放電してしまうのに。
とりあえず15分ほどでチェーン調整、給脂、ブレーキ調整も一緒に完了。「こらからはくれぐれも2ヶ月に一度空気、チェーン、ブレーキは見てくださいね」と言ったら、いわく、「バイクはパンクしやすいね。チェーンの伸びるのは新車のあたりが悪かったのかな」
 おいおいおいおい。なんでもバイクのせいにしちゃバイクがかわいそう。
たとえフレームが折れてもエンジンがぶっ壊れてもホイルが外れても乗っている人の責任だよ。
自分で整備できなくてもちょっとおかしいな思ったら、早い目に点検してもらいましょう。それこそがバイクと末永く付き合う一番良い方法
なんか癌検診の勧めみたいになってしまった。

この話は真実に基づいて偏屈親父が多少脚色しています。



★国際化 (10月18日アップ)
 偏屈親父の店も国際化してきた。このニ三年で外国人の客が増えてきた。某国立大学の留学生でスリランカやバングラデシュの人たちが殆んど。近くの公団住宅が住居になっているからである。滞在期間が短いのでほとんどの人は中古のスクーターに乗っている。そんな人たちとの初めての取引の時の事である。
 ある日のこと「ワタシノバイクノシートガアキマセンチョットミテクダサイ」
どうもいたずらされて鍵の位置が変わってしまったらしい。「イクラカカリマスカ?」
約20分ほどで出来そうなので「二千五百円です」すると「ニセンエンニシテクダサイ」
修理代を値切られると頭に来る英検2級の息子を持つ偏屈親父。
(外国人だから頭に来たわけではなく日本人が値切っても同じ)
「ノー。アイドュビジネス。アイドュノットディスカウント。アイセルテクノロジー。イフユーウオントディスカウント ユーゴーツーアナザバイクショップ。オアドゥイットユアーセルフ。アイアムノットユアーフレンド。OK?」
と知っているだけの単語をまくしたてた。
偏屈親父の素晴らしい英語力か、けんまくに押されたのか2500円で修理を引き受けた。
それが彼らとのつきあいの始まり。もう二度と来ないと思っていたら、忘れた頃「チョットミテクダサイ」とやって来るようになった。相変わらず儲かる修理はないけれど。
 暫く来ないからぼちぼちやって来るかな、それとも国に帰っちゃったのかな。

この話は真実に基づいて偏屈親父が多少脚色しています。

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